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CS調査ってどうやるの?

6. 準備編:調査対象者の抽出

第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
第8章




CS調査を行うならば、全てのお客様を調査対象者とすることを目標としながら、
調査実施における制約と調査の精度をバランス良く考え、調査を設計すべし。
  

「6.調査対象者の抽出」以降は、主に定量調査を実施する場合について説明します。
調査の対象者となるお客様をどのようにして用意するのか、また調査サンプル数をどのくらいにしたらよいのか、その方法と調査サンプル数についての考え方を説明します。
調査対象者は、以下の手段で確保することが一般的です。

[1] 自社のお客様リストから調査対象者を抽出する。
[2] お客様リストを利用しないで条件に合う調査対象者を探す。

[1]の場合、注意すべき点は、リストの品質(必要な個人情報が揃っているか?名寄せしているか?住所変更・解約などの情報が最新か?など)と条件に合った抽出(利用頻度、取引年数、性、年齢、世帯構成など)が可能か否かということです。
[2]の場合は外部の調査モニターを活用する、店頭や街頭で調査対象者に調査の協力を依頼するなどが考えられます。この場合、調査対象者が自社のお客様を代表するサンプルとなりうるか、偏った対象者となっていないか確認することが必要となってきます。

CS調査を行う場合、[1]のケースでは全てのお客様を調査対象として実施することが少なくありません。その理由はCSの本旨にも関わりますが、「あなたには聞くが、あなたには聞かない」というスタンスではなく、「全てのお客様に聞く」というスタンスが望ましいためです。CS調査はマーケティングにおける調査手法の一つという位置づけだけでなく、CS活動の一つでもあるのです。

とは言え、費用や時間などの制約があり、必ずしも全てのお客様を調査対象にできるわけではありません。また[2]のケースではそもそも全てのお客様を対象とすることは現実的に無理があります。
こういった場合は、調査対象が一部のお客様であっても、お客様全員を調査対象とした場合に近い調査結果が得られるサンプリングという手法を用います。

【ヒント】
代表的なサンプリングの例としては、2,000人程度の調査結果を
“国民の意見”として紹介する世論調査などがあげられます。

通常、サンプリングを用いて、何人規模の調査とするかは、回答いただきたいお客様の数(予定回収数)をベースに決定します。その後、その予定回収数を確保するために必要なお客様に配布するアンケートの数(配布数)を、経験的に得られている回収率(配布数に対する実際の回収数の割合)から逆算して決定します。
ただし、回収率は調査方法や調査対象者のプロフィールなどによって異なります。弊社におけるこれまでの経験から、個人にアンケート調査を実施した場合の回収率は約20%~25%程度です。
また法人向けの調査の場合はもう少し高くて35%~50%程度ですが、回収率は、調査の実施方法(郵送による配布回収、営業マンの手渡しなど)によっても異なります。

【ヒント】
返信のお願い状や謝礼などで回収率を上げることができます。

実質、調査規模の決定要素となる予定回収数については、次の3つの点を考慮して決定します。

[3]最小分析単位(年代、商品別など)
[4]求める調査結果の精度
[5]調査上の制約(調査方法、期間、予算)

[3]最小分析単位とは、全体をある層で区分した、自社にとって最低限知っておく必要のあるお客様層のことです。
例えば年代で4区分(20、30、40、50代)であったり、取引年数で5区分であったり企業によって必要とする層と区分は違ってきます。自社にとって最低限必要と思うお客様はどのような層か、またその区分は何区分か、あらかじめ決めておくと調査の予定回収数が決めやすくなります。

[4]は調査結果の精度(詳細後述)をどの程度に設定するかということです。
[5]の予算にも影響しますが、精度をよくするには調査サンプル数を多く取ることです。
ただどうしても予算の条件がからんでくるので多くのサンプル数はなかなか取れないのが実情です。調査サンプル数は、模範とする設定があるわけではなく予算、調査結果の活用時期などを考慮して妥協点を見いだすことになります。

最後に、統計学の話を交えながら精度ついて説明をします。ただし、統計の話をすると難しくなり説明も長くなりますので、知っておいた方がよい点について簡単に触れておきます。
下表は信頼水準(精度が保証される確率、 例えば95%水準というのは100回調査を行えば、95回は保証されるレベル)と許容誤差(神様しか分からない本当の結果と調査結果の誤差の大きさ)を示したものです。

■調査結果の精度に基づく必要回収数

調査結果の精度に基づく必要回収数


聞いたことがあるかもしれませんが、一般的に400票あれば概ねよいとされているのは、同じ調査を100回行えば、95回は得られた結果が±5%以内の範囲に収まることが統計的に決まっているということです。5%が妥当かどうかは別としてこのぐらいの精度を確保できるということです。

最終的には、調査の予算から逆算して決定していくことが多いのですが、[3]の話を踏まえて考えると、例えば年代で4区分が必要であるとすれば、400票×4区分=1600票の回収数が必要になってきます。
回収率を25%と考えると、6400票を配布することになります。これでは予算からとても実現可能ではないと考え、精度を少し緩くして±10%以内でもよしとすれば、100票×4区分=400票の回収でもよいことになります。配布数は1600票(回収率25%想定)となります。
2つの例をあげましたが、企業にとってこの数が多いか少ないか、意見のわかれるところです。

【ヒント】
回収数は多いほど精度は上がりますが、回収数増にかける
費用対効果は下がるため、無駄に調査規模を大きくすることは不毛です。
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