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不滅のCS経営

【CS変遷】
 顧客満足を超える顧客感動経営のすすめ ~社員の誇りと一体感を醸成して

経営ジャーナリスト
平島廉久

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日本能率協会が経営の原点である、CS(顧客満足)の概念を取り入れた
「CS 経営」を提唱したのが、ちょうど20 年前の1991 年であった。
同年はバブル経済が崩壊し、企業は大きな壁にぶつかった年であり、
CS 経営に強い関心が高まり燎原の火のごとく広がった。
あれから20 年が経過。時代は大きく変わり、
従来の顧客満足を超える新たな対応が求められるようになっている。
以下、本テーマについて私見を述べることにする。
 

顧客との信頼関係に基づく絆づくり

顧客満足を超える新たな対応とは何なのか。そのキーワードとなるのは、「顧客感動(Customer Delight)」をベースにした顧客との絆づくりである。
現在、市場には商品が満ちあふれ、価格や品質など単なる理性へのアピールでは、継続して商品を購入してもらうことが難しくなっている。
そこで求められるのが、顧客への心遣いや思いやりなどによる顧客の感情へのアピールである。つまり、心に訴えかけ顧客に感動を与えることによって、顧客との良好な関係づくりを行うのである。こうした努力の積み重ねを通じて顧客と心が触れ合い、絆が生まれる。そして、絆を太くすることによってリピーター、さらには生涯顧客になってもらえる。
最近では企業が1人の顧客から生涯にわたって得られる価値としての「顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)」をいかに高めるかが大切なテーマとなっており、顧客感動の提供によって、実現することができるのだ(図表1)。
顧客感動の提供によるもう1つの利点は、口コミによる新規顧客の獲得である。顧客は感動的な体験をすると、その体験をほかの人に話したくなり、口コミの輪が広がっていく。こうして新たな顧客が増え、売上の増大に結びつく。このように顧客感動の提供によって、顧客生涯価値が高まり、さらに口コミで新規顧客の獲得にもつながり、その効果は大きいものがある。
ところで顧客感動をベースにした経営は、「顧客感動経営」とも称することができ、成功させるには次の仕組みづくりが必要となる。

図表1:顧客感動の実現による顧客の進化

「囲い込む」から「囲い込まれる」へ

顧客感動の推進で、まず大切なことは会社と顧客が相互の信頼関係を確立し、太い絆で結ばれることである。そのためには、顧客の喜びをわが喜びとし、全社員が「どうすれば顧客に喜んでもらえるか」を念頭に置き、全力で顧客に対応することである。この顧客の喜び、幸せを求める考え方や気持ちのこもった行動を続けることによって、顧客から評価され信頼へと結びつく。すると価格競争に巻き込まれることなく、独自の経営を展開することができるようになる(図表2)。

図表2◎「顧客を囲い込む会社」から「顧客に囲い込まれる会社」

その好例として、徹底したサービスで成長している街の電気販売店をあげることができる。現在、家電販売業界は大型店の全盛時代で、小規模な販売店は苦戦をしいられている。価格競争では勝負にならない。ところが、こうした状況下でも独自の経営で善戦している販売店が存在する。地元に密着し顧客から電話があるとすぐに訪問し、顧客の要望に即座に応える。また、定期的に巡回し、顧客に安心感を与える。こうした日々の努力が実り、顧客から信頼され価格競争に巻き込まれることなく営業を続けているのである。
顧客の固定化を図るために、顧客の囲い込みが行われているが、「顧客を囲い込む会社」ではなく、「顧客に囲い込まれる会社」であってほしい。顧客をつなぎとめるためにポイントカード制度や会員制度などが広く導入されているが、金品によってつなぎとめるのはどうしても限界がある。他社が好条件を出すと、顧客の流失は避けられない。やはり顧客に支持されるためには、顧客を魅了する商品やサービスなどを提供して自社の魅力づくりを行い、顧客に囲い込まれる会社になりたいものである。

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